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労働者派遣事業報告書作成上の注意点【2022年度版】

 労働者派遣事業報告書(様式第11号)は、派遣事業者に提出が義務付けられている書類の1つで毎年6月1日から6月30日までに提出しなければならないものです。
 この労働者派遣事業報告書は、年度報告(第2面~第6面)と6月1日現在状況報告(第7面~第9面)とが1つになった報告書なので別々に考えていく必要があります。

各都道府県労働局から記載の案内やHP上などで注意事項なども発表されていますが、特に私が労働局在籍時代にチェックをしていて誤りや抜けている部分が多かったところを中心に解説していきます。

表紙

第1面

第1面で、特に抜けていることが多いのは、右上の事業所枝番、許可年月日の部分です。
許可番号は、派遣契約書などで記載する場面が多いのでほとんどの事業者は記載しているのですが、事業所枝番号と許可年月日はあまり使うことがないのでわからないまま空欄で提出しているところが多いです。

では、どこを見ればよいのかというと、許可証を見るとわかります。

許可証のサンプル

許可証は、事業所に掲示しておかなければなりませんので、必ずあると思いますが本社で作成している場合には各事業所担当者に確認しておいてください。
ちなみに、許可年月日とは初めて許可が下りた日で更新年月日のことではありません。事業所枝番号は事業所が1つだけであれば「1」になります。許可年月日が古い会社だと「0」の場合もあります。

年度報告

第2面

第2面から年度報告になります。
 ここでの年度というのは、各企業の事業年度のことを指しますので4月1日から3月31日が事業年度の場合、(1)の実人数は3月31日現在での人数を記入することになります。
 全労働者とは、この派遣事業所だけでの全労働者なので、派遣を行っていない事業所の社員は含みませんので注意が必要です。またその事業所の派遣社員以外の事務職員や営業職員も含みますので注意してください。

 ②の派遣労契約の期間別件数とは契約の件数のことで派遣人数とは異なります。1つの契約で10人を派遣する契約を結んだ場合は1件とカウントします。

(3)の①派遣先事業所数とは契約している法人数ではなく、派遣している場所の数と考えてください。

第2面の中盤では、(4)①労働安全衛生法に基づく安全衛生教育ですが、番号が抜けているケースが多いです。番号がわからないということで空欄にしていると思いますが、画像のように規則の番号がそのまま番号になっていますので参考にしてください。

(4)③主な派遣先事業主では、先ほどの(3)の「派遣先事業所数」と異なり法人そのものを指しますので、法人名と本店所在地を記載することになります。

(6)の雇用安定措置、ここが報告書の中で最難関の部分だと思います。
 左の期間の部分では、「1年未満見込み」に該当するのは、赤のアンダーラインで示しているように貴社での通算雇用期間が1年以上の人になります。
 たとえば、3月31日が決算日の派遣会社で2022年1月1日に初めて派遣社員として6月30日まで雇用される予定の人は、年度末の3月31日時点で判断するので、雇用見込みは6カ月になります。ただし、通算雇用期間が1年未満なのでここではカウントされないことになります。

次に、雇用安定措置の第3号の措置について、派遣労働者以外の労働者として無期雇用とした場合なので、派遣労働者として無期雇用をした場合は含みませんので注意が必要です。

次にその右の「左記以外のその他の措置」とは何を指すかというと、例えば職業紹介事業として他社へ職業紹介した場合などが考えられます。

最後に第1号から第4号までのいずれの措置も講じなかった人数は、抜けがちになりますので確認してください。なお、3年見込みの場合には措置を講じないことは法律違反になりますので注意が必要です。

第3面

第3面は、職種ごとの派遣料金と賃金の記載になります。


 注意すべきことは、1日(8時間あたりの額)ということになっていますので、8時間に満たない労働時間の場合は、8時間に換算する必要があるということです。特に4時間など短時間労働の場合には自動計算付きのシートに入力すると最低賃金違反として、エラーが出ることがあるので注意が必要です。

 また、金額は税込みや小数点以下四捨五入ということが記載要領に細かく書いてあり見落とすことが多いので注意してください。

昨年から一部職種が細分化されましたので医療関係で派遣している事業者の方は旧様式で提出しないように注意をしてください。

第4面

第4面でも第3面と同様職種が新たに追加されています。

「73 その他の運搬・清掃・包装等従事者」が追加されています。
 例えば、倉庫内でのピッキング作業などが該当するのではないかと思います

第5面

日雇派遣の部分で、令和3年4月1日から看護業務が加わりましたので職種が追加されています。

マージン率等の情報提供の状況は、「〇」抜けている場合が多いです。
おそらく実施をしていないのでつけられていないと思うのですが、実施が義務付けられています。
派遣元指針ではインターネットによることが原則になっていますので、調査の際にもしインターネットで行っていない場合理由を尋ねられて指導を受ける可能性がありますので注意です。

第6面

第6面で記載誤りが多いのは、③キャリアアップに資する教育訓練です。
まず、タイトルの横の「フルタイム」「短時間勤務」「1年未満雇用見込み」にそれぞれ「〇」を付ける必要があります。それぞれ該当する派遣社員がいる場合、この第6面を複数枚作成することが必要になります。また、勤務形態が1種類だけであっても、職種が複数あり記入できない場合も複数枚作成する必要があります。

そして、まず記載内容として左側に計画、真ん中が年度中の実績、右側が実施方法という大まかな記載内容を把握しましょう。

次に、時間数と人数の計算方法ですが、縦長の部分の各研修内容の上部は総研修時間、下部は受講人数です。
ここで注意が必要なことは、合計を算出する場合に上部の時間数はそのまま足し合わせていいのですが、下部の受講人数は延べ人数ではなく実人数なので1人で複数の研修を受けた場合も1人としてカウントする必要がある点です。

1人当たりの平均を出す場合は、小数点を切り捨てること、1~3年目の合計には4年目を入れないように注意してください。

右下の1人時間あたりの賃金額は記入漏れが多いところです。

6月1日現在の状況報告

第7面

第7面から第9面までが6月1日現在の状況報告になります。
第7面で注意することは、①派遣労働者の実人数のところの分類が通算雇用期間が1年以上か1年未満かで分けられているところです。第9面では1年以上の雇用見込みか1年未満の雇用見込みで分類されていることに注意です。

また、②の業務別派遣労働者の実人数では、人数を記入することになります。この点が金額を記入する年度報告の第3面から第5面との違いです。計算する際には、協定対象派遣労働者を含んだ無期と有期の派遣労働者の合計を「計」の部分に記入することになります。

第8面

第8面では、初めて特定製造業務従事者という言葉が出てきます。
ここで、特定製造業務とは、物の製造業務のことをいい、例えば物を溶融、鋳造、加工、組み立て、塗装する業 務、製造用機械の操作の業務及びこれらと密接不可分の付随業務として複数の加工・組立て業務を 結ぶ場合の運搬、選別、洗浄等の業務を指します。

そして、重要なことはこれらの業務に派遣をする場合には届出が必要だということです。
新規許可時に申請書で記載していない場合、様式第5号の労働者派遣事業変更届出書に記載して届け出ることになります。事業報告書を作成する段階で気づいたら、すぐに届け出るようにしましょう。

第9面

第9面は、日雇派遣労働者の記入欄から始まります。
それぞれ、日雇労働派遣ができる理由ごとに振り分けていきます。
⑥では、ここでも特定製造業務の人数を記入します。

第9面「2」の過去1年以内に労働者派遣されたことのある登録者の数ですが、抜けがちです。
6月1日現在の状況報告なので、人数は6月1日で判断します。登録制度を採用していない派遣事業者は記入が不要になります。

第9面「3」は「雇用見込み」となっていることに注意が必要です。例えば、6月1日に入社したばかりでも無期雇用契約や有期雇用契約で期間が1年以上の契約の場合には、人数に含める必要があります。

入力補助機能

報告書を作成する場合に、厚生労働省の入力補助機能付きのエクセルシートを使用することができます。
すべてをチェックすることができるわけではありませんが、入力ミスを発見するために使用することをお勧めします。

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